豊富な泡音と水音で癒される 癒し処耳かき店~耳撫屋 爽~
タイトル:癒し処耳かき店~耳撫屋 爽~
製作者: 音撫屋
価格:990円
CV: かの仔 / 沢野ぽぷら / 藍月なくる / 浅見ゆい
公開日:2018年12月21日
作品時間:3時間57分
シチュ:洗髪・マッサージ・耳洗浄・耳かき
【作品の概要】
癒し処耳かき店~耳撫屋シリーズの4作品目。爽やかな音をたくさん詰め込んでおり、水音や泡音、氷の音などが豊富に収録されています。
またこの作品は前半と後半で作品の毛色が大きく変わります。前半のトラックは音を重視し、会話は最小限としている一方で効果音を非常に多く取り入れています。これは製作者も意図しており、商品紹介でも音を楽しんでもらうパートと記載されています。
しかし後半のトラックでは耳撫屋の新人二人を先輩が手ほどきし実践練習するパートとなるため、前半とは打って変わって会話だらけのパートとなり、一方で効果音はかなり減らされています。そういった二種類の大きく異なる展開をひとつの作品で楽しむことができます。
【キャラクターの評価】
前半のトラックは会話は最小限。休憩パートでは会話があり、後のトラックの展開を示唆されたりしますが、こちらではおっとりとした女性店員程度のキャラクター性しかあらわされません。
一方で後半の新人研修パートでは新入社員の江玲奈・緒都を先輩の宇芽香が手ほどきするパートがあり、こちらは会話の比重がかなり多くなり、新人二人のキャラクター性が強く打ち出されています。
江玲奈は実は前職でも似たような仕事をしていたことがわかり、前職の経験もあるためマッサージや耳かきをスムーズに行っています。会話も本人の明るさもあり流ちょうにこなします。
一方で緒都は文字通りの新人。サービスについてもメモを見ながらでないと綺麗に説明できず、会話も本人が苦手だと自称するように、ぎこちなさがあり、会話の空白が多くなっています。
しかし新人だからこそ一つ一つが上手くいくごとに喜びを示すさまはほっこりするものがあります。
【シチュエーションの評価】
【洗髪】
Track3:洗髪(16分53秒)
水音にこだわったというコンセプトを実感させられるトラック。開始すぐに髪にお湯をかけるシーンがありますが、ゆっくりとお湯をかけることにより、耳元で水が流れ落ちる水流の音が響き渡ります。それも水流に強弱をつけることで流れを音で感じやすくなっています。
また泡音も一風変わったものとなっており、多くの泡洗浄では泡音を表現するのに泡がはじける音が入っているものですが、この作品では泡がはじける音がありません。代わりにもこっとした泡音が多く、泡のきめが大きい水分量の多い石鹸泡ではなく、きめの細かく角が立つよなもっちり泡で包まれているような気持ちよさがあります。
【マッサージ】
Track4:クリームバス(17分27秒)
Track5:3ステップトリートメント(17分51秒)
クリームバスというなかなか聞きなれない用語が出てきましたが、クリームバスとは頭皮や髪に栄養を与え、保護も行うクリームのことで、トリートメントの一つだと思ってください。
クリームバスを使う際は指で塗ることが多いため音の動きが分かりにくくなることが多くなりますが、クリームを塗る所では櫛を使うことで、今櫛がどこを動いているのかが音で感じ取れます。
トリートメントは通常のマッサージ音声に
【泡洗浄】
Track6:耳洗浄(18分2秒)
泡洗浄は泡で耳全体を覆いゆっくりと洗うものが多く、耳を覆うものが多いもの、今回の動画ではしっかりと洗います。指を動かして泡を広げるように洗うので、こちらが気泡が大きめのはじける泡音が特徴です。しかし洗髪のようにガシガシと洗わず耳の輪郭をなぞっていくように丁寧に洗っていくので音の動きが新鮮です。
【耳かき】
Track8:耳かき(28分20秒)
耳かきではあまり耳の中が汚れていないことが分かり、耳掃除というよりも耳かきで耳のツボを刺激するマッサージとなります。最初は木の耳かきで耳の溝をなぞる様に刺激していきます。木製の耳かきであるため音も低めでカリカリと刺激の少ないものとなっています。
その後金属製の細い耳かきで耳垢を綺麗にしていきます。こちらは通常の耳かきですが、すでにある程度綺麗だったため、あまりガリガリと耳垢を削り取るような刺激のある者でなく優しめの耳かきです。
【新人研修】
Track9:前編 耳洗浄 (16分35秒)
Track10:後編 耳かき (10分23秒)
Track11:江玲奈の耳かき(22分13秒)
Track12:緒都の耳かき (33分10秒)
このトラックを「新人研修」と分けた理由はここから作品の空気が大きく変わることです。それまで会話を最小限として効果音を楽しむものだったのが、新人研修となり登場人物も3人に増えたことで会話がかなり多くなっています。
また新人ということで前半の手慣れたサービスとは異なり、ぎこちなさが現れたおどおどとしたもので、効果音ASMRとしての効果は薄くなっています。
一方で会話がかなり増えたことで声を楽しむパートとなっており、特に前半は耳元に近づいてヒロインたちがささやきながら会話するため、高めの明るい声の江玲奈と低めのクールな声の緒都という、二つの大きく異なる特徴を持つ声の囁きASMRを楽しむことが出来ます。
研修の後半では江玲奈・緒都それぞれが耳かき・マッサージを提供するトラックとなります。流れ自体は一緒ですが、二人の個性が内容に現れています。またそれぞれで受け持ったお客さんの耳垢の特徴を湿り気があるタイプと乾燥タイプにわけたことで、耳かきにも異なる施術対応としサービス自体にも違いを持たせています。
【評価】
とにかく泡と水に非常にこだわりを持った作品で、これまで聞いてきた作品とは一線を画した作品でした。特に泡を気泡音なしで表現するのは見事でした。3時間越えのボリュームで4名のCVを起用しているにもかかわらず1000円以下というのもかなりのコスパです。会話を少なく効果音多めの展開と会話多め効果音少な目の二つの展開を楽しめるのも、ASMR初心者がどんなタイプの音声作品が自分に合うかを確かめられるのにも使えます。
評価は文句なしのA評価です。