開き直った妹と恋人によるASMR 私でも貴方を癒していいですか?続
タイトル:私でも貴方を癒していいですか?続
製作者:アクア・アルタ
CV: 利香 / 柚萌
価格:770円
公開日:2018年11月28日
作品時間:1時間14分
シチュ:耳かき・添い寝
【作品の概要】
空が自分の想いを告白して一年。両親から「自分の仕事を継がせるために海外に住ませる」という突然の手紙が届く。空と遥は花嫁修業のために母親のもとへ、主人公は父の仕事を学ばせるため、それぞれが離れ離れになってしまうことになるが、なぜか温泉旅行のチケットも入っており・・・?
アクア・アルタが出した続編シリーズ。「私でも貴方を癒していいですか?」の1年後を描いた話となっています。
前作では姉のように慕っていた遥と恋人関係になった実兄を好きになり、血縁関係と仲の良い関係を壊してしまう恐怖から葛藤するも、遥にその想いを見抜かれ苦しむ空に気持ちに素直になることを諭し告白したことで、はれてライバル関係になるところで終了しました。
【キャラクターの評価】
前作との大きな違いは妹の空がガンガンアピールしてくることです。兄に対してどんどん甘えてきて、遥に対しても遠慮がなくなっています。それが良い面と悪い面があり、まず良い面としては空が自分に素直になれているため前作のような序盤の暗い雰囲気がないことや空の可愛い部分をストレートに楽しめるところです。
一方で悪いところは実兄への恋心に悩むというキャラクターとしての要素の一つがなくなっているため、他の作品でも多い兄にメロメロな妹となっており差別化という点では埋もれてしまっています。
ちなみに遥のキャラクターは前回とそこまで変わっていません。
【ストーリー・表現の評価】
作りたい要素を先に用意してしまい、そこにストーリーを合わせていったような形となっているため、どうしても構成におかしな部分が出ています。まず彼らは海外の温泉旅館にきているのですが、海外の温泉旅館で囲炉裏があるってどんな宿やねんと。それなら日本の旅館でいいのではないかと思いました。もともと急に仕事を引き継がせるから海外に移住させるとかそのあたりからストーリーが支離滅裂です。突然病気になり自分の今後が不安になったことで跡継ぎのことを考えざるをえなかった、とかにすればその後の展開にあるしばらく会えなくなるという部分にも重みが出てくると思うのですが、勢いと軽さで乗り切ってる感があります。
そして売りとして出ていた囲炉裏のASMRですが、囲炉裏の光景を想像してもらえばわかるとおり、キャンプのように大きな火をおこすのではなく、暖をとったり調理をするために小さな火を起こすもので、さらにシチュエーションを考えればすでに火は焼香状態で焼ける音も小さくなっています。囲炉裏の「パチッ・・・パチッ・・・」という火の粉がはじける音はわずかに聞こえるものの、ほぼ会話に消されていて、添い寝パートでも寝息に負けています。
【シチュエーションの評価】
【耳かき】
耳かきは前作同様両耳を同時に行う耳かき。前作の評価で両耳かきという珍しいシチュがある以上、もっと囁きを増やすなどして刺激を増やしてほしいと評価していましたが、今回は耳かきをしながら結構な長さで遥と空の会話が展開されています。ただ両耳かきに加え両者がこちらを挟んで会話し続けるため、情報量の多さに気持ち悪くなってきます。また会話が完全にこちらをおいてけぼりのため、実は耳かきとあまりリンクしていないという点も情報量の多さに拍車をかけています。
耳かき自体は耳穴をかいているというよりも、タオルなどで耳穴表面を拭かれているような音のくごもりぐあいです。その点からもいまいち耳かきされてる感じがしません。
【まとめ】
前作に比べ甘々要素が強くなったのに対し、作品としての個性は弱くなっています。ASMR要素も他にはない要素はないため、他を置いてこの作品を買う理由はないと感じました。前作が気に入ってこの3人のその後が知りたい人、そして最終的にどのような形で落ち着くかを知りたい人向けかなと思います。そのためこの作品の評価としてはE評価となります。