わんこ系後輩と恋人になるまでの話　後輩と過ごす甘い日々～柊綾乃の場合～

タイトル：後輩と過ごす甘い日々～柊綾乃の場合～

　製作者：角砂糖

　　CV：藍月なくる

　　価格：４４０円

　公開日：２０１８年８月９日

作品時間：１時間２６分

【作品の概要】
【キャラクターの評価】
【ストーリー・内容の評価】
【最終評価】

【作品の概要】

あなたのことを慕ってくれる後輩の柊綾乃。そんな彼女と一緒に下校したり、クレープを食べあったり看病をされたりといった日々を過ごしていく中で、先輩と後輩から恋人になるまでをつづった話

　角砂糖氏が販売するボイスドラマ。こちらのサークルはこの作品以外は成人向けのため、唯一の全年齢版作品となります。主人公側に声は採用されておらず、ヒロインである柊が一方的に喋る形で進行していきます。

　後輩である柊綾乃との日々をつづったものであり、部活終わりに一緒に下校したり、一人暮らしの先輩の家を休日に一緒に掃除したり、デートをしたり看病をしてもらったりと、この時点ではまだ先輩後輩ではありますが、どう考えてもそのラインを超えている日常を過ごしています。

　その後イベントがあり先輩と後輩から恋人になり、そこでエンディングとなります。

【キャラクターの評価】

　この後輩を表すなら「わんこ系後輩」です。各トラックの序盤で先輩先輩と駆け寄ってきて、好きな先輩に褒めてほしくて、役に立ちたくて積極的に先輩のお世話をしていくものが多く、映像はないものの尻尾をぶんぶんしている様子が容易に想像できます。

　ただ部活帰りや休日に一緒に出掛けるとかはまだ先輩後輩の関係でもありえるでしょうが、その後休日に先輩の部屋を二人で掃除する。先輩の看病をするあたりから「あれ？この二人まだ恋人関係じゃないんだっけ？」という違和感を持ち始めます。そしてとどめに二人きりで泊まりの旅行にでかけます。これが幼いころから一緒だった家族ぐるみの付き合いの幼馴染とかならまだわかりますが、さすがに先輩後輩の関係だけで二人きりの旅行に誘うだろうか・・・と違和感をもちました。

【ストーリー・内容の評価】

　ボイスドラマの悪い点が出てしまったのが今回の作品。ボイスドラマは聞き手側が喋らずヒロインが一方的に喋るため、どうしても会話がキャッチボールでなく壁当てのようになってしまいます。以前評価した「シガレット・シュガーライフ」はこちら側を猫とすることでヒロインが一方的に喋るという点を上手く処理していました。今回の作品ではこちら側のセリフを柊が聞き返すという形で補完していますが、その回数がいくらなんでも多い。そのせいで会話のテンポが悪くなっており、あまりにもヒロインがこちら側のセリフを繰り返すせいで間抜けさが出てきています。

　セリフ回しを聞く限り柊のその後のセリフで察せるような省略できたものも多いため、いくらなんでも柊に言わせすぎです。さらに環境音が無いことも柊の一方的な喋り具合を強調してしまっているため、環境音で間を補完していればまた違ったかなと思います。

　それと恋人になった後のあるシーンで「いや、そこは後輩と呼ばせるんじゃなくて彼女と言わせようよ！」と感じたシーンがあります。明確に関係性が変わったシーンなので、そこをすんなりとはいってほしくなかった。